take away

40歳を過ぎ、何かをのこしたくなってきました。読んだ人が多少でも価値を感じてtake awayしてくれれば。

ハセツネ30Kでの失格騒動について

4/3に行われたハセツネ30Kにて、トップゴールした男女2名の選手が両方とも失格になるという前代未聞の出来事がありました。
当日、私は青梅高水山トレイルを走り終えて、ハセツネ30Kを走ったメンバーと合同打ち上げをしていて一報を聞きました。

 

 

 

騒動の概要

打ち上げの場で友人のトレイルランナーの言った言葉がこれです。

「ハセツネっていつからレインウェアが必須装備になったの?」

私自身、ハセツネ本戦は出たことありますが、30Kは出たことがなかったため、競技規則を精読したことがありませんでした。

ハセツネ30Kでは、水1.5L、レインウェア、行動食が必要装備品として定義されています。受付時に必要装備品のチェックが行われたようです。

 

失格となった2名はゴール後の装備チェックにおいて、受付で装備チェックをクリアした後レインウェアを持たずに出走したことを認めたとのことで、失格の裁定が下りました。

この一件については、トレイルランナーの間では、様々な意見が交わされていました。

  • トレイルに入るのにレインウェアを持っていないのはけしからん。
  • ルールはルールだから失格は当然だ。
  • そもそも競技規則に矛盾がある。

などなど。

挙句、失格となった女子選手がタイムラインであまり反省していないコメントをしていたことでプチ炎上。本人が謝罪コメントを出すまでに発展しました。

 

 

一体何が正義か

山の世界は自己責任の世界です。山に入る上では、突然の天候悪化への対応や、怪我をして動けなくなった時の低体温症防止など、レインウェアを使うシーンはあるでしょう。

一方で、競技性の高い選手ほど、1gでも軽くして勝てる可能性を高めたいと考えることも当然だと思います。軽い気持ちで装備を減らしたのかも知れません。或いは、サポートランナーともなると、上位を狙わなければならないというプレッシャーもあるでしょう。もちろん、失格ともなるとそれは裏目に出るわけですが。

では、なんのために競技規則は存在しているのか。1人でも多くの参加者に安全にゴールまで辿り着いて欲しいということが根底にあると思います。必要装備以外にも守るべきルールがあります。それをみんなが守るから安全に大会が運営できるはずです。赤信号で停止するというルールをみんなが守るという前提があるから、青信号で交差点に進入できるのと同じです。

昨年のUTMFでは、A8エイドの山中湖きららで装備チェックが行われました。
STYについては上位選手のみ、UTMFについては全選手です。ちなみに、ゴール後も上位入賞者については再度チェックがありますが、途中のエイドでの装備チェックは第4回目を迎えたUTMF史上初めての試みでした。

これはA8エイドを出て杓子山に登っていくランナーが安全に越えられるように、全てのランナーの安全を考えた上での主催者側の苦渋の決断だったと思います。きららを通過するUTMFの選手は約600人いました。その労力たるや並大抵ではありません。

今回、ハセツネ30Kの競技規則には曖昧な記述もあり、主催者側に批判的な意見もありますが、それを敢えて装備チェックした背景には強い意志が見えます。ハセツネCUPに対してハセツネ30Kは入門的レースという位置付けです。気軽に参加できる一方で、きっちり山のルールに準じた対応を参加者全てに求めるという意志を示したわけです。来年以降も装備チェックをするかは分かりませんが、今回の一件が抑止力として効いてくることは間違いありません。来年からは今年までとは違うピリっとした大会になることでしょう。