ハセツネ30Kの試走から見えてきたトレランとは全く違う魅力とは
昨日、3連休の最終日、ハセツネ30Kのコース試走会に参加してきました。
ハセツネ30Kって?
前置きが長くなりましたが、ハセツネ30Kというレースは、秋に行われるハセツネCUPの弟分的な大会で、ハセツネ30Kの公式ページには
自己の限界を追求するトレイルランニングの最高峰『日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)』の入門レースとしてトレイルランニングの普及発展の為、また、五日市特産の江戸野菜『野良坊菜』や春の花爛漫の自然の美しさを肌で感じ、自然保護の精神を啓発する大会を目指します。
コースの紹介
ハセツネ30Kのコースは、ハセツネCUPのコースを一部通りつつ、全体の半分くらいがロードセクションとなっています。累積標高差が今回の私の手元計測で約1400mほどでしたので、初級者から中級者でも十分完走可能なレベルでしょうか。もちろん、ハセツネCUP本戦への出場権を獲得するにはそこそこの実力が必要となります。
ハセツネ30Kはトレイルランニングレースなのか?
この問いに対しては、正直Noかなと思っています。その理由はそのロードセクションの長さです。スタートから北沢峠までの約10km、及び、篠窪峠仮設登山口からトッキリ場巻道までの約7kmまでがロードセクションとなっています。
ロード率が50%を超えるので、純粋なトレイルランニングレースと謳うのは違和感があり、ハセツネCUP本戦への出場権獲得だけのために出走する風潮も垣間見える点を個人的に斜めから見てたところがあります。
もちろん、ほぼ全てのランナーがトレランシューズを履いて出走しますので、トレランに違いないのですが、純粋に山を走ることが好きなランナーにとっては苦行でしかないコースプロファイルだということです。
ハセツネ30Kは出る価値がないのか?
今回フル試走をしてみて感じたことですが、レースとしてみた場合、価値があると思いました。理由は、トレイルだけではなく、ロードも含めた総合的な走力を求められるレースだからです。
トレイルのコースはシングルトラックでは譲ってもらわない限り抜けませんので、前走者との実力差がある程度ないとずっと抜けないことになります。上位を目指す人であれば、前走者の得意不得意を見抜いて、自分に有利なポイントで抜くといった戦略を練りながら走ることになります。
ところが、ロードセクションでは事情が違います。スピードを上げれば抜けますので、ロードが得意な人にとってはハセツネ30Kはかなり有利かも知れません。特に篠窪峠仮設登山口からの下り5kmほどは上位にジャンプアップするチャンスです。一方で、ここで飛ばし過ぎて足を使ってしまうとその後のトレイル区間で失速する可能性もありますので、戦略面でも面白いレース展開になりそうです。
トレイルランニングはロードマラソンとは違って得意なポイントによってかなりタイムに振れ幅ができます。登りが得意な人や、下りが速い人がいる一方で、急登こそが好きな人や、急な下りだけはダメ、という人もいます。そこに加えて、ロードの得意な人が割り込む隙があるのです。そう考えた場合、かなり多くの人にチャンスがあり、そして、全ての力をバランスよく持っている人に勝利の称号を与えられるという意味ではなかなか良いレースなのではないでしょうか。
来年は参加を検討したいと思います。